1. 事業内容

Terra Drone株式会社は、産業用ドローンを活用した統合ソリューションを提供する企業で、主に「ドローンソリューションセグメント」と「運航管理セグメント」の2つの事業を展開しています。ドローンソリューションセグメントでは、測量、点検、農業などの分野で高精度なデータ収集や業務効率化を実現するサービスを提供しています。一方、運航管理セグメントでは、無人航空機の安全な運航を管理するUTMシステムを開発・運用し、特にアジアや欧州市場での事業拡大を目指しています。

2. 事業の特徴

(1) ドローンソリューションの多様性

Terra Droneは、測量、点検、農業など多岐にわたる分野でドローンを活用したサービスを展開しています。特に、Terra Lidarシリーズを用いた高精度な3次元計測や、農薬散布ドローンによる効率的な農業支援が特徴で、顧客の業務効率化やコスト削減に寄与しています。この多様性により、様々な業界のニーズに応えることが可能です。

(2) グローバルな事業展開

同社は、国内外において子会社を持ち、特にインドネシアやマレーシア、サウジアラビアなどでの事業展開を進めています。海外市場への進出により、地域ごとのニーズに応じたサービスを提供し、国際的な競争力を高めています。この戦略により、ドローン業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあります。

(3) UTM事業の先進性

運航管理セグメントでは、UTMシステムの開発を通じて、ドローンの安全な運航を実現しています。特に、欧州や米国での規制に準拠したシステムを提供し、政府機関や企業との連携を強化しています。この事業は、今後のドローン社会における重要なインフラとなることが期待されており、持続的な成長が見込まれています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

2024年1月期の売上高は2,963,323千円で、前年同期比52.0%の増加を記録しました。この成長は主にドローンソリューションセグメントの拡大によるものです。しかし、営業損失は243,072千円に達し、これは人件費の増加や新規事業への先行投資が影響しています。また、親会社株主に帰属する当期純損失は353,868千円で、Unifly NVの子会社化に伴うのれんの減損が影響しました。全体として、売上の増加にもかかわらず、コストの増加が経営成績にマイナスの影響を及ぼしました。今後は収益性の改善と黒字化を目指す必要があります。