1. 事業内容

インフォメティス株式会社は、AI技術を活用したエネルギー最適化ソリューションを提供する企業です。「エネルギーデータの力で、暮らしの未来を変えていく。」というミッションのもと、電力消費者向けのスマート・リビングサービスや電力事業者向けのエネルギー・マネジメントサービスを展開しています。特に、機器分離推定技術（NILM）を用いた高精細な電力データ解析により、顧客のエネルギー利用効率を向上させ、持続可能な社会の実現に寄与しています。

2. 事業の特徴

1. NILM技術の活用
   インフォメティスは、機器分離推定技術（NILM）を駆使し、家庭や施設の電力データを高精細に解析します。この技術により、個別の家電の使用状況をリアルタイムで把握でき、無駄な電力消費を削減することが可能です。これにより、顧客はエネルギーコストを削減し、快適な生活環境を実現できます。

2. SaaS型の収益モデル
   同社は、エネルギー関連データを基にしたサービスをSaaS（Software as a Service）モデルで提供しています。このモデルにより、顧客は定期的に利用料金を支払うことで安定したサービスを受けられ、企業側は長期的な顧客関係を築くことが可能です。これにより、持続可能なビジネスモデルを構築しています。

3. 強固なアライアンス戦略
   インフォメティスは、東京電力パワーグリッドやダイキン工業などの大手企業と強固なアライアンスを築いています。これにより、技術やデータの共有が進み、新たなサービスの開発や市場拡大が加速しています。特に、エネルギー効率の最適化に向けた共同プロジェクトが進行中で、競争力を高めています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

2023年12月期の売上高は923,322千円で、前期比で増加しました。この増加の主な要因は、電力センサーの販売が堅調に推移したことや、デマンドレスポンス（DR）支援サービスの提供増加です。「アップフロント」売上は378,014千円、プラットフォーム・アプリ提供は293,855千円となり、顧客基盤の拡大が寄与しました。しかし、営業損失は169,374千円に達し、販売費及び一般管理費が671,424千円に上昇したことが影響しています。これには、DR支援サービスの開発費用や上場準備費用が含まれており、今後の課題としてコスト管理が挙げられます。全体として、持続的な成長基盤を構築しつつも、経営効率の向上が求められています。