1. 事業内容

Ｈｍｃｏｍｍ株式会社は、音声認識技術と人工知能（AI）を活用したソリューションを提供する企業です。主な製品には、コールセンター向けのAI音声認識プロダクト「Voice Contact」、AI音声自動応答システム「Terry」、議事録自動作成ツール「ZMEETING」、異音検知システム「FAST-D」があります。これらの製品は業務の効率化やコスト削減を実現し、顧客のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援します。また、AIソリューション事業では、顧客の特定の課題に対するコンサルティングや開発を行い、企業の成長を促進しています。

2. 事業の特徴

• 音声認識技術の専門性
  当社は音声認識技術に特化した研究開発を行い、2014年に産総研技術移転ベンチャーの認定を受けました。独自の音声認識アルゴリズムは高い精度を誇り、業務効率化や顧客体験の向上を実現する製品を提供しています。これにより、競争力を強化し、顧客からの信頼を獲得しています。

• 研究開発型ビジネスプロセス
  当社は、R&D初期フェーズからサービス提供運用保守フェーズまでの一貫したビジネスプロセスを実践しています。このプロセスにより、顧客のニーズに応じた迅速な製品開発が可能となり、信頼関係を築くことで長期的なパートナーシップを形成しています。顧客のフィードバックを反映させる仕組みも整備されており、継続的な改善が図られています。

• AIソリューション事業の拡充
  AIプロダクト事業に加え、AIソリューション事業を展開し、特に生成AIを活用したコンサルティングや開発案件が増加しています。これにより、顧客の経営課題解決に向けたトータルサポートを提供し、収益の多様化を図っています。顧客のDX推進を支援することで、持続的な成長を目指しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

2023年度の売上高は801,196千円で、前年同期比10.2％の増加を記録しました。この成長は、AIプロダクト事業とAIソリューション事業の両方で売上が順調に推移したことによります。しかし、営業利益は83,475千円で前年同期比5.4％減少し、経常利益は87,098千円で40.3％の減益となりました。特に営業外収益の減少と販売費及び一般管理費の増加が影響しました。2024年度の中間期においても売上高は446,826千円と順調に推移していますが、経営環境の変化や競争激化に対する柔軟な対応が求められています。これにより、今後の成長戦略の見直しが必要とされています。