1. 事業内容

ＰＨＣホールディングス株式会社は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの3つの事業ドメインを展開しています。主な製品には、血糖自己測定システム、POCT製品、医療ITシステム、臨床検査サービス、病理診断機器が含まれ、34か国に販売拠点を持ち、110か国以上の医療機関や薬局に製品を供給しています。企業理念は「健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献」であり、持続可能な成長を目指しています。

2. 事業の特徴

(1) グローバルな展開

ＰＨＣホールディングスは、糖尿病マネジメント分野において特許技術を活用した高精度な製品を提供し、34か国に販売拠点を持つグローバル企業です。血糖自己測定システムは、世界標準の測定技術を採用し、現地のニーズに応じたマーケティングを展開。新興国市場での販売拡大を図り、持続的な成長を実現しています。

(2) 多様な製品ライン

当社の製品ラインは、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの3つのドメインに分かれています。特にPOCT製品や医療ITシステムは、医療機関の効率化を図るために重要な役割を果たし、顧客のニーズに応じたソリューションを提供することで競争力を高めています。

(3) 研究開発への投資

当社はR&Dへの積極的な投資を行い、革新的な製品の開発を推進しています。特に糖尿病マネジメント分野では、CGM（持続血糖値測定器）などの新技術の導入を進め、顧客のニーズに応える製品を提供することで市場競争力を強化。また、他社とのアライアンスを通じて新技術の開発を加速させ、医療ニーズの変化に迅速に対応しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

2021年3月期の経営成績は、売上収益306,071百万円（前年同期比12.3％増）、営業利益17,599百万円（同33.6％増）と好調でした。特にヘルスケアソリューション部門では、新型コロナウイルス感染症に関連する需要の増加が寄与しました。具体的には、PCR検査の受託拡大やワクチン保存用の超低温フリーザーの需要が急増し、これが業績を押し上げました。診断・ライフサイエンス部門でも新型コロナウイルス関連の製品需要が高まり、全体的な業績の回復に寄与しました。さらに、コスト削減策の実施により、一般管理費が抑制され、利益率の改善にもつながりました。これらの要因により、前年同期比で大幅な利益増加を実現しました。