1. 事業内容

株式会社ROXXは、ノンデスクワーカー向けの転職支援プラットフォーム「Zキャリア」と、オンライン完結型のリファレンス・コンプライアンスチェックサービス「back check」を運営しています。主に製造、建設、運輸、サービス業などの現場で働く労働者に焦点を当て、正社員化を推進し、低年収層の所得向上を目指しています。テクノロジーを活用し、求職者と求人企業のマッチングを最適化することで、日本の労働市場における構造的な課題を解決することを目指しています。

2. 事業の特徴

(1) ノンデスクワーカー特化型プラットフォーム

「Zキャリア」は、ノンデスクワーカーに特化した転職支援プラットフォームで、未経験者でも正社員になれる求人情報を豊富に提供しています。年収400万円未満の求職者に焦点を当て、彼らの転職活動を支援することで、労働市場の流動性を高めています。これにより、従来の転職サービスでは得られなかった機会を提供し、社会的なインクルージョンを促進しています。

(2) AI技術の活用

ROXXは、AI面接機能を導入し、求職者がスマートフォンでいつでも面接を受けられる環境を整えています。これにより、選考プロセスの短縮化や効率化を実現し、企業側の負担を軽減しています。AIを活用することで、求職者の評価を客観的に行い、マッチング精度を向上させることが可能です。これにより、企業と求職者の双方にとって利便性が向上しています。

(3) リファレンスチェックのオンライン化

「back check」は、オンラインでリファレンスチェックとコンプライアンスチェックを行うサービスです。企業は求職者の過去の評価や犯罪歴を簡便に確認でき、採用のミスマッチを防ぐことができます。従来のアナログな手法に比べ、迅速かつ低コストで実施できるため、企業の採用活動において重要な役割を果たしています。このサービスは、採用の透明性を高めることにも寄与しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

株式会社ROXXの経営成績は、2023年9月期において売上高2,075,781千円を記録し、前期比71.0％増となりました。この成長は主に「Zキャリア」サービスの強化によるもので、転職支援者数の増加がGMVを押し上げました。具体的には、Zキャリアの売上高は1,643,142千円（前期比70.7％増）であり、back checkサービスも432,639千円（前期比72.2％増）と好調でした。しかし、営業損失は746,113千円と依然として赤字を計上しています。これは、求職者集客費用や人件費の増加によるもので、今後は新規顧客の獲得と業務の効率化を図り、早期の黒字化を目指す方針です。