1. 事業内容

株式会社エリッツホールディングスは、不動産仲介、不動産管理、居住者サポート事業を中心に展開する企業です。主力会社である株式会社エリッツは、賃貸物件の仲介を行い、エリッツ建物管理やエリッツ不動産販売などの子会社と連携し、賃貸管理やリフォーム、引越しサービスを提供しています。特に京都・滋賀エリアに強みを持ち、2022年9月期の売上高は4,864,786千円で、前年同期比6.6％の増加を記録しました。今後は大阪・奈良などの近隣地域への展開を目指しています。

2. 事業の特徴

(1) 総合的な不動産サービス

エリッツホールディングスは、不動産仲介だけでなく、管理、開発、居住者サポートなど多岐にわたるサービスを提供しています。この総合的なアプローチにより、顧客のニーズに応じたワンストップサービスを実現し、顧客満足度を高めています。特に賃貸物件の管理では、入居者のニーズに迅速に対応し、入居率の向上に寄与しています。

(2) 地域密着型の営業戦略

当社は京都・滋賀エリアに特化した営業戦略を採用し、地域の特性を活かした店舗展開を行っています。55店舗を展開し、地域の学生や社会人層に向けた賃貸物件を提供しています。また、地域のニーズを把握するための市場調査を行い、競争力のある物件を提供することで、地域内でのシェア拡大を図っています。

(3) ITを活用した業務効率化

エリッツホールディングスは、賃貸仲介システム「バストレージ」を導入し、業務の効率化を図っています。このシステムにより、物件情報の自動更新、契約管理、顧客管理が行われ、迅速な対応が可能となっています。また、ITを活用することで、未経験者の育成もスムーズに行えるため、店舗の新規開設時にも迅速に業務を開始できます。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

株式会社エリッツホールディングスの2022年9月期の売上高は4,864,786千円で、前年同期比6.6％の増加を達成しました。経常利益は685,168千円（前年同期比5.4％増）、営業利益は612,494千円（同1.2％増）と堅調に推移しました。これらの成長は、賃貸仲介事業の需要回復や広告宣伝費の適正化、業務効率化によるコスト削減が寄与しています。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益は432,780千円（同1.3％減）となり、減損損失や法人税の増加が影響しました。全体として、地域密着型の営業戦略と経済環境の改善が功を奏していると考えられます。