1. 事業内容

株式会社TMHは、半導体製造装置や部品の販売および修理サービスを提供する企業です。2012年に設立され、越境ECサイト「LAYLA-EC」を通じて、国内外のサプライヤーから部品を調達し、半導体工場に供給しています。また、中古半導体製造装置の買取や販売支援も行い、エンジニアリング力を活かしたトータルソリューションを提供しています。これにより、顧客の生産性向上とコスト削減を実現し、持続的な成長を目指しています。

2. 事業の特徴

a. 越境ECプラットフォームの活用

TMHは、越境ECサイト「LAYLA-EC」を運営し、31.5万点以上の半導体製造装置部品を取り扱っています。このプラットフォームにより、顧客は24時間365日、リアルタイムで在庫情報を確認でき、迅速な調達が可能です。これにより、半導体工場の調達プロセスの効率化を実現し、顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを提供しています。

b. エンジニアリング力の強化

TMHは、20年以上のエンジニアリング経験を持つ技術営業人員を多数擁し、半導体製造装置の解体から設置までの一貫したサポートを提供しています。特に、旧型装置のプロセスチューニングを行うことで、顧客の生産効率を向上させることが可能です。このエンジニアリング力が、顧客からの信頼を獲得し、受注拡大に繋がっています。

c. 中古装置の販売支援

TMHは、中古半導体製造装置の買取および販売支援を行っており、特に「LAYLA-Auction」という競売プラットフォームを通じて、不要となった装置の売却を支援しています。このサービスにより、半導体工場の保管スペースや廃棄費用の削減ニーズに応え、顧客にとってのコスト削減を実現しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

TMHの経営成績は、2022年11月期に売上高1,747,118千円を記録し、前年同期比2.8%の増加を達成しました。しかし、営業損失は127,288千円に達し、前年の17,481千円の損失から悪化しました。この要因として、急激な円安や物価高による仕入原価の高騰が挙げられます。また、利益率の低い商材の販売が増加したことも影響しています。2023年12月期の第2四半期累計では、売上高3,534,111千円、営業利益128,809千円を記録し、業績は回復傾向にあります。特に、大型半導体装置の受注が増加し、エンジニアリング能力が求められる案件が増えたことが、業績向上に寄与しています。