1. 事業内容

株式会社TMHは、半導体製造装置やその部品の販売・修理を主な事業として展開しています。特に、半導体工場向けにトータルソリューションを提供し、越境ECサイト「LAYLA-EC」を通じて部品の販売や修理サービスを行っています。国内外のサプライヤーと連携し、顧客のニーズに応じた迅速なサービスを実現。また、中古半導体製造装置の買取や売却支援を行い、顧客の設備更新ニーズにも応えています。

2. 事業の特徴

a. 越境ECプラットフォームの活用

当社は、2018年に開設した越境ECサイト「LAYLA-EC」を通じて、世界中のサプライヤーからの部品情報を集約し、半導体工場への迅速な部品供給を実現しています。このプラットフォームでは31.5万点以上のアイテムを取り扱い、国内半導体工場の50%以上が利用しているため、安定した調達経路を確立しています。

b. エンジニアリング力の強化

当社は、20年以上のエンジニアリング経験を持つ技術営業人員を多数擁し、半導体製造装置の解体から設置までの全工程を手掛けています。特に、旧型装置のプロセスチューニングによる歩留まり改善や、装置の搬出・設置において高い専門性を発揮し、大手半導体メーカーとの競合においても受注を拡大しています。

c. 中古装置の競売プラットフォーム

2023年に開設した競売プラットフォーム「LAYLA-Auction」は、不要となった旧型半導体製造装置の売却を支援するサービスです。このプラットフォームにより、半導体工場は遊休化する設備の保管スペースや廃棄費用を削減でき、効率的な設備更新が可能になります。顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを提供し、収益の多様化を図っています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

第12期事業年度（2022年11月期）の売上高は1,747,118千円で前年同期比2.8%の増加を記録しましたが、営業損失は127,288千円に達し、前年の営業損失17,481千円から悪化しました。この要因として、急激な円安や物価高による仕入原価の高騰、利益率の低い商材の販売増加が挙げられます。しかし、半導体製造フィールドソリューション事業では大型案件の受注が増加し、越境ECサイトの利用者も増加しました。第13期第2四半期では、売上高3,534,111千円、営業利益128,809千円を達成し、業績が回復傾向にあります。エンジニアリング能力の向上とプラットフォームの活用が奏功し、今後の成長が期待されています。