1. 事業内容

株式会社オルツは、パーソナル人工知能（P.A.I.）の開発を通じて、個人の記憶の永遠化や意思の再現を目指す企業です。主に「Communication Intelligence」や「AIコールセンター」などのAI技術を活用したプロダクトを提供し、ビジネスシーンにおける業務効率化を図っています。独自の大規模言語モデル（LLM）を用いて顧客ニーズに応じたカスタマイズを実現し、労働から解放され、創造的な活動に集中できる社会の実現を目指しています。

2. 事業の特徴

① 高度な音声認識技術

オルツの「Communication Intelligence」は、高精度な音声認識技術を駆使し、リアルタイムでの文字起こしや議事録作成を実現します。特に、日本語の同音異義語に対応した業界特化型の音声認識が強みで、顧客のニーズに応じたカスタマイズが可能です。この技術により、業務効率化と生産性向上を実現し、顧客の業務をサポートしています。

② パーソナライズ機能

オルツのAIプロダクトは、ユーザーの個別のニーズに応じたパーソナライズ機能を備えています。SNSやカレンダーとの連携により、ユーザー固有の言語や文脈を学習し、より精度の高い音声認識を実現します。この機能により、顧客満足度を向上させ、リピート利用を促進しています。

③ 研究開発の強化

オルツは、アカデミックなネットワークを活用し、AI技術の研究開発を推進しています。国内外の大学との共同研究を通じて、最新の技術を取り入れ、競争力を維持しています。これにより、生成AI市場におけるリーダーシップを確立し、持続的な成長を目指しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

株式会社オルツの経営成績は、2023年12月期に売上高4,111,995千円を計上し、前年度比154.2％の成長を遂げました。特に、AI Products事業の売上高は3,825,527千円で、前年同期比152.9％の増加を示しました。この成長は、Communication Intelligence「AI GIJIROKU」の販売拡大や新規顧客の獲得によるものです。しかし、営業損失は1,485,892千円に達し、広告宣伝費や研究開発費の増加が影響しています。第11期中間会計期間でも、売上高は2,844,006千円に達し、AI Solutions事業の成長も見られましたが、依然として営業損失が続いています。今後は、収益性の向上と黒字化を目指し、マーケティングの効率化や単価の向上に取り組む必要があります。