1. 事業内容

株式会社カドス・コーポレーションは、山口県を拠点に建設業と不動産業を展開する企業です。主な事業として、流通店舗の設計施工を行い、ドラッグストアや飲食店、コンビニエンスストアなどの大型物件に特化しています。また、不動産事業では賃貸用不動産の管理や販売を行い、土地オーナーとテナント企業のニーズを結びつける「カドスLANシステム」を通じて地域貢献を重視しています。企業理念は「お客様の発展を願うことが我社の発展の鏡」であり、地域経済の活性化に寄与しています。

2. 事業の特徴

• 土地活用のマッチングモデル
  カドス・コーポレーションは、土地オーナーとテナント企業のニーズを結びつける独自の「カドスLANシステム」を採用しています。このシステムにより、土地オーナーからの情報を収集し、適切なテナント企業を紹介することで、双方の利益を最大化しています。これにより、競合他社との価格競争を回避し、安定した受注を確保しています。

• 地域密着型の事業展開
  当社は山口県・広島県を中心に事業を展開し、地域の特性に応じた店舗設計や施工を行っています。地域のニーズを把握し、地元企業との連携を強化することで地域経済の活性化に貢献しています。また、ナショナルチェーン店舗の施工実績を増やすことで、地域内での認知度を高め、さらなる受注機会を創出しています。

• 安定した収益基盤
  不動産事業を通じて賃貸収入を得ることで、建設事業の収益を補完しています。賃貸用不動産の取得や管理を行うことで、長期的な安定収益を確保し、経済環境の変動に対するリスクヘッジを図っています。2023年7月期には不動産事業の売上高が1,156百万円に達し、全体の収益に寄与しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

株式会社カドス・コーポレーションの経営成績は、2023年7月期において売上高5,659百万円を記録し、前期比25.1%の増加を達成しました。この成長は、建設事業における受注残高の増加と新規出店案件の増加によるもので、特にドラッグストアや飲食店などの大型物件の施工が寄与しました。完成工事高は4,503百万円に達しましたが、売上総利益率は19.0%に低下しました。これは建設資材価格の高騰や外注労務費の上昇による影響です。販売費及び一般管理費も増加しましたが、売上高の増加がその影響を相殺し、営業利益は521百万円、経常利益は511百万円と増益を維持しました。今後も収益性の高い受注先からの受注増加を目指し、利益率の改善に努める必要があります。