1. 事業内容

イシン株式会社は、公民共創事業、グローバルイノベーション事業、メディアPR事業の3つの主要事業を展開しています。公民共創事業では、自治体と民間企業を結びつけ、デジタルトランスフォーメーション（DX）や地域創生を支援しています。グローバルイノベーション事業では、情報ポータルサイト「BLITZ Portal」を通じて、日系企業と海外スタートアップのマッチングを行い、成長産業の情報提供を行っています。メディアPR事業では、成長企業向けのブランディングや採用支援を行い、特に「ベンチャー通信」を通じて顧客の魅力を効果的に発信しています。

2. 事業の特徴

• 公民共創事業の強み: 自治体向けのマーケティング支援サービスを提供し、「BtoGプラットフォーム」を通じて企業の自治体向け営業活動を効率化します。元行政職員が在籍しており、自治体のニーズに応じた提案ができるため、信頼性の高いサービスを提供しています。これにより、自治体と企業の連携を強化し、地域の課題解決に寄与しています。

• グローバルイノベーション事業の独自性: 成長産業に特化した情報提供を行う「BLITZ Portal」を運営し、国内外のスタートアップ情報を集約しています。特に米国のスタートアップデータベース「Crunchbase」と提携し、約305万社の企業データを保有しており、日系企業のオープンイノベーションを推進しています。このプラットフォームにより、企業は新たなビジネスチャンスを見出すことができます。

• メディアPR事業の多様性: ベンチャー企業向けの情報誌「ベンチャー通信」や有料会員制サービス「ベストベンチャー100」を運営し、企業のブランディングや採用活動を支援します。SEO対策を施した記事広告制作に強みがあり、顧客のメッセージを効果的に伝えることが可能です。これにより、企業は市場での競争力を高めることができます。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

イシン株式会社の第18期連結会計年度の売上高は1,148,005千円で、前年同期比12.1％増加しました。公民共創事業の「BtoGプラットフォーム」サービスの拡販が寄与し、売上高は417,140千円に達しました。また、グローバルイノベーション事業も「BLITZ Portal」の新規顧客獲得に成功し、売上高は334,942千円に増加しました。メディアPR事業も安定した受注を確保し、395,922千円の売上を記録しました。営業利益は95,388千円で前年同期比33.5％増加しましたが、経常利益は111,047千円で4.8％減少しました。これは営業外収益の減少が影響したためです。全体として、各事業が堅調に推移したことが成長を支えています。