1. 事業内容

ＫＩＹＯラーニング株式会社は、オンライン資格取得支援サービス「スタディング」と法人向け社員教育クラウドサービス「エアコース」を提供しています。「スタディング」は、スマートフォンやタブレット、PCを活用し、受講者が自分のペースで学べる環境を整えています。多様な資格講座を展開し、特に忙しいビジネスパーソンや学生に向けた効率的な学習を支援しています。「エアコース」は、企業向けに各種研修コースを提供し、社員教育ニーズに応えています。これにより、個人と法人の両方に対して教育サービスを展開し、成長を図っています。

2. 事業の特徴

(1) 学習システムの利便性

「スタディング」は、ユーザーがスマートフォンやタブレットを使って、いつでもどこでも学習できる環境を提供しています。動画講座や問題集、進捗管理機能を組み合わせ、受講者が自分のライフスタイルに合わせて学べるよう工夫されています。これにより、忙しいビジネスパーソンでも「すきま時間」を活用して効率的に資格取得を目指すことが可能です。

(2) 低価格での提供

当社は、デジタル技術を駆使してコンテンツ制作や学習サービスの提供を効率化し、従来の教室型資格スクールに比べて低価格で講座を提供しています。例えば、中小企業診断士講座は53,900円（税抜）から受講可能であり、価格競争力を持っています。この価格設定により、より多くの受講者を獲得しやすくなっています。

(3) AIを活用した個別最適化

当社は、AI技術を活用して受講者の学習履歴データを分析し、個別に最適化された学習プランやアドバイスを提供する機能を導入しています。これにより、受講者は自分に合った学習方法を見つけやすくなり、合格率の向上が期待できます。このようなテクノロジーの活用は、競争優位性を高める要因となっています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

ＫＩＹＯラーニング株式会社の経営成績は、2019年12月期に835,264千円の売上高を記録し、前年同期比で37.1％増加しました。この成長は、個人向け資格支援事業「スタディング」における新規講座の開発やプロモーションの強化に起因しています。有料会員数は20,040人に達し、順調な伸びを見せましたが、営業損失は149,504千円に達しました。これは、広告宣伝費の先行投資や人材確保に伴うコストが影響しました。2020年の第1四半期では、売上高250,528千円を記録し、前年同期比で増加していますが、営業損失は35,348千円に留まりました。引き続き広告宣伝費を投下し、無料会員を獲得する戦略が奏功していることが示されています。今後も収益基盤の安定化と新たな収益源の確保が課題となります。