1. 事業内容

株式会社トヨコーは、静岡県富士市に本社を構え、インフラメンテナンス事業を中心に展開しています。特に、老朽化した社会インフラ構造物の維持管理に特化した技術を提供しており、SOSEI工法とCoolLaser技術を駆使しています。SOSEI工法は特殊樹脂を用いた屋根補強技術で、施工中の安全性と断熱効果を兼ね備えています。CoolLaser技術は、高出力レーザーを使用してサビや塗膜を除去し、環境負荷を低減しつつ効率的な施工を実現しています。これらの技術により、持続可能な社会インフラの維持管理に貢献しています。

2. 事業の特徴

(1) SOSEI工法

SOSEI工法は、瞬間硬化する特殊樹脂を使用して老朽化した屋根を補強する技術です。この工法は、施工中に作業員が屋根上に立っても安全に作業できる強度を提供し、断熱効果も兼ね備えています。これにより、夏場の冷房効率を向上させ、電気代やCO2排出量を削減する効果が期待されています。施工は自社で行うため、品質管理が徹底されています。

(2) CoolLaser技術

CoolLaserは、高出力レーザーを用いてサビや塗膜を除去する革新的な技術です。この技術は、従来のブラスト工法に比べて産業廃棄物を大幅に削減し、環境に優しい施工を実現します。また、レーザーによる塩分除去効果により、再劣化を防ぎ、塗替工事の頻度を低減させることが可能です。これにより、長期的なライフサイクルコストの削減が期待され、顧客にとっても大きなメリットとなります。

(3) 競争優位性

トヨコーは、日米で特許を取得した独自のレーザー照射技術を有しており、競争優位性を確保しています。CoolLaserの高出力化や長距離伝送技術により、従来のレーザー施工では実現できなかった施工範囲を可能にし、業界内でのリーダーシップを確立しています。さらに、業界の各種団体との協業を通じて、技術の社会実装に向けたルール整備にも貢献しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

株式会社トヨコーの経営成績は、2023年3月期において売上高1,095百万円、前年同期比2.0%減少しました。この減少は、SOSEI事業における大型案件の端境期が影響したためです。しかし、CoolLaser事業は初の市販モデル「G19-6000シリーズ」の発売により、販売が増加し、今後の成長が期待されています。2024年3月期の中間決算では、売上高921百万円、営業利益134百万円を計上し、前年同期比で改善が見られました。この結果、事業の収益性が向上し、経営基盤の強化が進んでいます。今後も、研究開発への投資と新規顧客の開拓を通じて、持続的な成長を目指す方針です。