1. 事業内容

株式会社ファイントゥデイホールディングスは、パーソナルケア製品の生産、マーケティング、販売を行う純粋持株会社です。1959年に設立された資生堂商事株式会社を前身とし、2021年に新たに設立されました。主にヘアケア、スキンケア、ボディケアの製品を展開し、日本、中国・香港、APAC地域を中心に事業を展開しています。自社の研究開発施設を有し、地域ごとのニーズに応じた製品開発を行い、迅速な市場対応を実現しています。2024年12月期の売上収益は107,395百万円に達し、成長を続けています。

2. 事業の特徴

1. 多様なブランドポートフォリオ
   ファイントゥデイホールディングスは、fino、TSUBAKI、SENKA、unoなど、複数のブランドを展開しています。これにより、異なる消費者ニーズに応じた製品を提供し、競争力を維持しています。特に、finoはトリートメント中心のヘアケアブランドとして、日本市場のみならずアジア各国で高い支持を得ており、ブランドの認知度を高めています。

2. 強固な研究開発体制
   2023年に開所した「ファイントゥデイ ビューティーイノベーションセンター」を中心に、独自の研究開発を行っています。この施設により、各国・地域のニーズに応じたオリジナル製品の開発が可能となり、迅速な市場投入を実現しています。これにより、競争が激しいパーソナルケア市場においても、革新的な製品を提供し続けています。

3. グローバルな展開と成長戦略
   日本、中国・香港、APAC地域を中心に事業を展開しており、特にAPAC地域では年平均7.8％の市場成長が見込まれています。新興市場への進出や、オンライン販売チャネルの強化を図り、地域別の収益構成を多様化することで、リスクを分散しつつ持続的な成長を目指しています。

3. 経営成績の推移とその要因の分析

2024年12月期の売上収益は107,395百万円で、前期比7.2％の増加を記録しました。日本地域では、+tmrの本格展開やエージーデオ24メンの新製品販売が寄与し、46,255百万円（前期比8.5％増）となりました。中国・香港地域でも、40,796百万円（前期比1.4％増）と堅調に推移しました。APAC地域では、特に高成長を見込まれる市場であり、20,342百万円（前期比17.5％増）を達成しました。一方、営業利益は14,712百万円で、前年から35.6％減少しましたが、これは前期に発生した負ののれん発生益の影響が大きいです。全体として、原材料価格の高騰や市場環境の変化に対する柔軟な対応が求められていますが、ブランドの強化や新製品の投入が業績を支えています。